社宅規定作成と節税効果

制度比較

「住宅手当」と「給与天引き」のメリットとデメリット

自社の社宅制度ってどうなの?他社はどんな制度にしているの?

弊社は、多数の企業様の社宅制度の運用に携わり、熟知しています。
各企業の特徴をまとめ、一般的にどういう傾向にあるのか、分析してみました。
自社の社宅制度との比較や制度見直しの際の参考にお使い下さい。

借上社宅の定義
  • 例1)従業員を居住させる目的で会社が第三者と賃貸契約を結んだ建物及びこれに付属する土地、付属設備をいう。
  • 例2)社員の転勤毎に伴い、会社が社員の赴任地から地理的に合理的な範囲内に定める専ら社員の居住する建物であって、会社の定めに従い適正な手続きを経た上で、会社が賃借人になるものを言う。
入居資格
  • 例1)新たに会社の命令により赴任を命ぜられた従業員とその家族で赴任地に住居がない場合に、所定の手続きを経て会社が許可した者が有する。
  • 例2)配偶者または同居する家族がいる従業員及び独身者であって自宅から通勤困難な者とする。
上限賃料比較
例1 1人 2人 3人 4人
東京 100,000 150,000 170,000 190,000
大阪・名古屋 90,000 120,000 130,000 150,000
福岡 60,000 100,000 110,000 130,000
その他 60,000 90,000 100,000 120,000
  • 上限賃料超過物件:契約不可
  • 入居者負担:上限金額までの25%
  • 共益費(管理費):全額自己負担
  • 仲介手数料:全額会社負担
  • 礼金:全額会社負担
例2 1人 2人 3人 4人
束京 70,000 100,000 100,000 135,000
大阪・名古屋 70,000 95,000 95,000 125,000
福岡 60,000 85,000 85,000 110,000
その他 50.000 65、000 65,000 80,000
  • 上限賃料超過物件:契約可
  • 入居者負担:上限金額までの30%+超過金額
  • 共益費(管理費):全額自己負担
  • 仲介手数料:上限金額までは会社負担。超過部分は自己負担
  • 礼金:上限賃料相当額×2ヶ月分までは会社負担。超過部分は自己負担
その他費用の取り扱い
■敷金
全額会社負担とする企業が大半
■礼金
賃料の上限超過を認めている場合、礼金の会社負担上限を上限賃料×2ヶ月分とし、超過部分を自己負担とする。
賃料上限超過を認めている企業でも、金額会社負担とする企業も少数派ではあるが、ある。
会社としてのコストを考慮すれば、超過分を自己負担とする方が、社宅という観点からも、妥当だという考え方が多い。
但しこの場合、上限貸料の設定が地域相場とかけ離れていると、社員の不満に繁がる。
■仲介手数料
礼金同様、上限賃料×1ヶ月分を上限とし、賃料超過時、超過分を自己負担とする。
■火災保険
個人加入・保険料個人負担をするケース、法人名義加入・保険料会社負担とするケースが半々というところ。
考え方 ・個人としているケース~個人契約や個人所有で入居していても必ず発生する費用であるという観点に基づく。
・会社としているケース~物件を会社契約しており、あくまで会社にて貸与する住居、という観点に基づく。
実際の実務レベルでは、完全に個人にした方が、業務的には楽であるが、入居者の意識の問題もあり、未加入状態となるケースも懸念される。 会社とする場合、包括契約をすれば、業務の簡素化・コスト削減は可能である。
■敷引
敷引は、地域憤習によるため、全額会社負担とする企業がほとんど。
特に関西エリアは、設定が○ヶ月分、という基準ではないため、上限設定が困難であるという側面もある。
その他規定
■負担割合
社宅の入居年数により、徐々に料率UPするケースも多々見られる。
ex1)1年目:25%、2年目・3年目:50%、4年目:75%、5年目以降:100%
ex2)1年目~3年目:20%、4年目:30%、5年目:40%、6年目:50%
■社宅入居期限
多くは、社宅に入居出来る期間を設けている。
パターンは大きく2種類に分類できる。
  • パターン1:期限を5~6年に設定し、期間到来後は解約・退去し別物件を個人契約するか、個人名義に切り替えて入居を継続。
  • パターン2:期限は設定するが、年数を10~13年と長期間にし、その期間内に異動により新赴任地で新たな社宅に入居する事を前提とする。
■職級、役職による区分
一般職~係長クラス、課長~次長クラス、部長クラス、支店長クラスといった区分けで、上限を高くしている企業も多い。
一般的に、一般職クラスの上限に対し、10~20%程度ずつ程度、高く設定している。

社宅制度の導入

A:個人契約で賃料払い→会社から住宅手当支給
B:借上げ社宅として会社契約一個人からは使用料金を徴収(50%以上徴収していれば給与課税されない)

月収30万円賃料8万円の物件に住む
(質問)Aさん:社宅手当4万支給とBさん:借上げ社宅家賃負担4万円どちらがお得になるでしょう?

  A:社宅手当4万支給 B:借上げ社宅家賃負担4万円      
月収 34万円(住宅手当込) 30万円      
社会保険料 6万565円 5万613万円      
手取り額 27万9,435円 24万9,387円      
家賃支払額 8万円(個人の財布から) 4万円(給与から天引)      
家賃支払い後手取り 19万9,435円 20万9,387円     社宅導入による差額メリット
従業員の手取り増加額
(社会保険料や税金分)
  9,952円 /月 119,424円/年 for 従業員
会社側の社会保険料削減額   5,042円 /月 60,504円/年 for 会社
          合計 179,928円

※地域による税率・料率の変化、家族構成、前年度所得金額などの条件により金額は多少変化します。